主なリチウムイオンバッテリーの種類と比較
リチウムイオンバッテリーの種類を解説。それぞれの安定性、寿命、サイズなどを比較しつつ、どれを選ぶべきかをガイドします。
公開日: 2024.7.26
主なリチウムイオンバッテリーの種類
コバルト系 (LiCoO2, LCO) リチウムイオンバッテリー
1991年に商品化された初期のリチウムイオン電池ですが、熱暴走のリスクがあるなど安全性の問題やコスト面の問題から近年は使用が減少しています。
三元系(NCM) リチウムイオンバッテリー
コバルト系リチウムイオン電池の次の世代にあたるのが三元系リチウムイオンバッテリー。正極材料にニッケル、マンガン、コバルトの混合化合物 (NMC)を使っています。
コストダウンと熱暴走リスクを低減しており、広く使われているバッテリーです。
リン酸鉄 (LiFePO4, LFP) リチウムイオンバッテリー
ここ数年に一気に普及してきたリチウムイオンバッテリーが、リン酸鉄 (LiFePO4, LFP) リチウムイオンバッテリー。正極材料にリン酸鉄を使っているのが特徴で、コバルト系と三元系(NCM) の弱点だった、熱暴走、安定性、寿命(バッテリーサイクル)の全ての面で大幅に改善されたバッテリーです。
その性能の高さと安定性・安全性から、ポータブル電源だけでなく、電気自動車などにも採用されています。
それぞれの特徴と比較
最後にリチウムイオンバッテリーの種類を、特性ごとに比較してみましょう。
種類 | 安定性 | 寿命 | サイズ | 1Whあたりの価格 |
---|---|---|---|---|
コバルト系 | 低い | 300-500回程度 | 小さい | 高い |
三元系(NCM) | コバルト系よりは高い | 500-1000回程度 | 小さい | 中程度 |
リン酸鉄 | 非常に高い | 2000-3000回程度 | 大きい | 安い |
「今からポータブル電源を買うなら、リン酸鉄一択」と言われるのも納得なくらい、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーがメリットが大きすぎることがわかります。
少し型落ちのポータブル電源だと、三元系(NCM)を採用している(公表していないが使っている)ことがありますが、20%程度の差額であれば、間違いなくリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのポータブル電源を買うべきです。