ポータブル電源の正弦波と修正正弦波の違い
ポータブル電源のAC出力には「正弦波」と「修正正弦波」があります。それぞれの違いと、どちらのポータブル電源を選ぶべきかを解説します。
公開日: 2024.10.14
正弦波とは?
正弦波は、AC電源の出力形態の一つで、直流電流を交流電流に変換するインバーターから出力された時の電気波形が滑らかな波形になっている状態のことを指します。正弦波は自然界で観察される波形に非常に近く、これにより安定した電力供給が可能になるという特性があります。
正弦波は出力ノイズを軽減させることができるため、電気ノイズに敏感な精密機器や音響機器に最適です。また、家庭用電化製品は正弦波に基づいて設計されていることが多く、異なる波形を使用すると故障や誤動作の原因となることがあります。
修正正弦波とは?
修正正弦波は、矩形波を基にして作られた波形であり、正弦波に近づけるために設計されていますが、正弦波の滑らかさを持たず、角があるため、電力の供給においては一定の不安定さを伴います。
具体的には、修正正弦波は「電流の変化が急激」である特徴があります。そのため、接続された機器に対しての電力供給が不均一になることがあります。安定した電力供給が必須な、精密機器に対しては、故障や誤動作のリスクが高まります。
一方で、修正正弦波は、製造コストが低いため、ポータブル電源を安価にできるというメリットもあります。そのため、低価格なポータブル電源は修正正弦波を採用しているケースが見られまうす。
修正正弦波は、特定の電化製品に対しては適用可能ですが、その範囲は限られています。例えば、白熱電球やホットプレートなどの単純な電気機器は、修正正弦波からの電力供給に耐えることができます。
ポータブル電源はどちらを選ぶべき?
基本は正弦波を選ぶのがベスト
正弦波は家庭のコンセントと同じです。家庭用の電化製品は正弦波を前提に設計されているため、正弦波対応ポータブル電源であれば、出力パワーさえ対応していれば家庭用の電化製品がほぼ全て使えると思って問題ありません。
ポータブル電源の値段は正弦波対応モデルの方が高いとされていますが、ここ数年で正弦波のAC出力が標準装備されているのが定番になってきているため、安いポータブル電源でも正弦波対応モデルが増えてきています。
そう考えると、今から敢えて修正正弦波対応のポータブル電源を選ぶメリットはありません。
使い方によっては修正正弦波でも大丈夫
修正正弦波でも、白熱電球やホットプレートなど、比較的単純な電気機器には問題なく使用できるため、使い方と価格のバランスが取れていれば、修正正弦波のポータブル電源でも問題ないでしょう。
ただ、先ほど解説した通り、ここ数年で正弦波のポータブル電源も低価格化が進んでいるため、少しの価格差であれば予算を上げてでも正弦波のポータブル電源を買うべきでしょう。