バッテリーの種類とそれぞれのメリット・デメリット
現在ポータブル電源などの機器で使われているバッテリーの種類とそれぞれの特性、メリット・デメリットをまとめて解説します。
公開日: 2024.7.30
バッテリーの種類と特徴
リチウムイオンバッテリー
現在、一番普及しているバッテリーと言っても過言ではないのが、リチウムイオンバッテリー。エネルギー密度が高く、軽量、長寿命、自己放電が少ないのが特徴で、モバイル機器や家電など様々な製品に使われています。
小型化が可能で、充電回数が多いのがメリットですが、製造コストが高く、高温環境下での性能低下や発火のリスクがあるというデメリットもあります。
ただ、最近では、リチウムイオンバッテリーのリスクを減らしたリン酸鉄リチウムイオンバッテリーも登場し、価格と性能がさらに高まっています。
鉛バッテリー
自動車用バッテリーで有名なのが鉛バッテリー。低コストで安定した性能がある一方で、自己放電が大きく寿命が短い、重いというデメリットもあるバッテリーです。
特に大きいデメリットが重量で、用途としては定番の自動車用バッテリーのように、「持ち運びをしない、重量が問題になりにくい」用途以外で使うシーンがあまりないバッテリーです。
また、定期的な液面確認や補水など、メンテナンスが必要なのもデメリットでしょう。
ニッケル水素電池
主に充電式乾電池で使われているのがニッケル水素電池。
環境負荷が比較的低く、低価格で製造できる点がメリットですが、自己放電が大きくエネルギー密度が低いというデメリットがあるため、バッテリー容量の少ない機器を中心に利用されているバッテリーです。
それぞれの特性の比較
ここまで見てきたそれぞれのバッテリーを、特性ごとにまとめて比較してみます。
種類 | エネルギー密度 | 重量 | 寿命 | 自己放電 | 価格 | 安全性 | 環境負荷 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
リチウムイオン | 高い | 軽い | 長い | 少ない | 高い | 高温環境下での発火リスクあり | リサイクルが難しい |
鉛バッテリー | 低い | 重い | 短い | 大きい | 安い | 比較的安全 | 鉛が含まれ、環境負荷が高い |
ニッケル水素 | 中程度 | 中程度 | 中程度 | 大きい | 中程度 | 比較的安全 | 比較的低い |
現在、主流であるリチウムイオンバッテリーはやはり優れている点が多いことがわかります。特に、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、リチウムイオンバッテリーの弱点をかなり克服しているため、ポータブル電源など大型のバッテリーに採用が進む理由もわかります。
次世代のバッテリーと呼ばれる全固体電池が一般的になるまで10年ほどと言われていますが、それまではポータブル電源においてはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが主流となるでしょう。