バッテリーサイクルとは?電池与える影響と計算方法
ポータブル電源を使う上で重要なスペック指標が「バッテリーサイクル」。バッテリーサイクルとは何か、バッテリーに与える影響、バッテリー寿命を延ばすためのヒントを解説します。
公開日: 2024.7.24
バッテリーサイクルとは?
バッテリーサイクルとは、バッテリーが充電から放電までの一連のプロセスのことを指します。
バッテリーはサイクルを重ねるごとに劣化していくため、「どれくらい使えるか」「どれくらい使ったら劣化が進むか」と言う指標になります。
「1」充放電サイクルは?
充放電サイクルは「バッテリーが0%から100%まで充電され、その後0%まで使用されるプロセス」と言う意味ですので、「バッテリーを0%から100%まで充電して、100%から0%まで使うと1サイクル使った」となります。
ただし、現実的には必ずしも0から100%まで充電されると言うわけではありません。
例えば、バッテリーが100%から50%まで使用され、その後100%まで充電するといった使い方がほとんどでしょう。こうした部分的な充電と放電もサイクルの一部としてカウントされます。先ほどの例で言えば0.5サイクルとして計算されます。
バッテリーサイクルはバッテリー寿命に影響する
バッテリーサイクルは、バッテリーの寿命に大きな影響を与えます。
バッテリーのサイクル数が増えると、バッテリー容量が徐々に減少します。例えば、コバルト系のリチウムイオンバッテリーの場合、500サイクルを経過すると初期容量の80%程度にまで減少することと言われます。これは、バッテリーサイクルを経るごとにバッテリー内部の化学反応が劣化するためです。
最新のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの場合はバッテリー寿命が大幅に改善されていて、初期容量の80%程度まで減少するまでのバッテリーサイクルは3,000回ほどとなります。
バッテリーの種類とサイクル数の違い
バッテリーのサイクルはバッテリーの種類によって大きく異なります。
バッテリー種類 | 80%までの充放電サイクル |
---|---|
リチウムイオンバッテリー | 約500〜3000サイクル |
ニッケル水素バッテリー | 約300〜500サイクル |
リチウムポリマーバッテリー | 約500〜1000サイクル |
鉛蓄電池 | 約200〜300サイクル |
大出力が可能な鉛蓄電池は約200〜300サイクルと一番少なく、逆に最近のバッテリーの主流であるリチウムイオンバッテリーは、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーであれば80%までの充放電サイクル3,000回ほどと大幅に大きくなります。
そのため、ポータブル電源を選ぶ際は、どの種類のバッテリーが使われているのかが重要になるのです。